30周年スペシャルインタビュー
ヨネックスと30年、
限界突破に挑み続けるライダーたち
戸塚優斗
横浜で育ち、幼い頃から雪山に通う生活の中でスノーボードと出会った戸塚優斗。小学2年で競技を始めると、15歳からワールドカップの舞台に立ち、2017年に全日本選手権を制覇。2018-2019シーズンにはワールドカップ年間王者となり、以降も世界の強豪を相手に数々のタイトルを獲得。豪快なエアと高さで知られ、今なお進化を続ける次世代のリーダー。
果敢に攻める姿勢で知られる戸塚優斗。その裏には、積み重ねられた日々の鍛錬と、日本のスポーツ文化が受け継いできた探求心がある。常に新しいトリックに挑み続ける姿は、伝統を受け継ぎながら革新を重ねてきた環境に根ざしている。今、その進化の原点について彼自身の視点から語ってもらう。
普段はどのような日常を過ごし、どんな練習環境で滑っていますか?
最近は新しくできた、夏場でも本格的な練習ができるハーフパイプ専用施設「熊谷クエスト」に通って練習をしています。ずっと練習だけだと良くないかなと思って、時々息抜きにバイクに乗ったり、出かけたりして気分転換を図っています。オンとオフのバランスを大切にしながら、集中力を保つようにしています。
国際大会を意識し始めたきっかけと、キャリアの分岐点となった出来事は?
ハーフパイプを始めて間もなく、海外の大会を意識するようになりましたが、自分がその舞台で戦うという意識を持ったのは、2017年3月に行われたFIS全日本選手権で初めて優勝した時でした。その大会では必ず結果を残したいと思っていたので、優勝できてとても嬉しかったです。
そしてキャリアの分岐点となったのは、同年の9月に初めて出場したニュージーランドのワールドカップで優勝した時です。ワールドカップに初出場し、すぐに結果を出せたその瞬間、「自分は海外で活躍できるんだ」という確かな自信が芽生えたのをおぼえています。
国際大会出場が決まった時の感情と、そこに至るまでに直面した壁について教えてください。
国際大会への出場が決まった時、その時は嬉しさよりも不安の方が大きかったです。自分の滑りが評価されるのか、怪我をしないかなど、様々な不安が頭をよぎりました。特に両サイドのダブルコークの習得は大きな壁でした。回転に対する慣れや、恐怖心で体が動かなくならないようにすることが重要で、そこを重点的に練習しました。今では高回転の技の基礎として非常に役立っています。
国際大会で意識している“自分らしい滑り”とは?
目指しているのは、全方向の回転を取り入れたバラエティ豊かな滑りです。技の難易度だけでなく、構成や流れにもこだわり、自分らしさを表現することを大切にしています。
ヨネックスとの出会いと、ブランドのサポートによる変化について教えてください。
ヨネックスのボードは最初のコーチの方がきっかけで使い始めたのですが、初めて使ったときは「操作のしやすさ」や「反発の強さ」を強く感じました。その後、ブランドからサポートをいただくことで経済的な面でも支援を受けられ、モチベーションも大きくあがりました。サポートが始まった時に、ここからスノーボードの人生が広がっていくんだと強く感じましたね。
若手時代から現在までのブランドとの関係の進化と、商品開発によるライディングスタイルの変化は?
自分にとってヨネックスブランドの存在を一言で表すと、“翼”です。ヨネックスは、飛躍するために力を与えてくれる存在。まさに自分の翼です。
今ではREVの宣伝活動などにも関わらせていただいていて、ブランドとの信頼関係がさらに強くなっていると感じます。また商品開発に関わることで、自分の滑りに合った板の硬さや形状をさらに追求できるようになり、自分に最適なものを使えるようになりました。その結果、それまで以上の「高さ」を出したり、より楽に回転をできるようになり、技の完成度も向上しています。
ヨネックスのボードの構造や素材で、自分のスタイルに合うものは?
軽量でありながら高い反発性能を持つ素材が、自分の滑りにとても合っています。常に滑りの中で反発を感じるので、回転をする時の恐怖感が和らぎ、高さを出せるという自信に繋がっています。
ヨネックスと共に歩んできたと実感する瞬間は?そして今後の展望は?
特に表彰台でヨネックスの板を掲げた時には、これまで長い間共に歩んできたことを強く実感します。そしてこれから10年後も、ヨネックスさんとは共に信頼できるパートナーとしての特別な関係を継続していきたいと思っています。ヨネックスの板を使って世界で活躍することで、次世代のスノーボーダーたちの憧れられるライダーになり、ヨネックスが彼らに憧れられるメーカーと言われるような存在になりたいです。
ヨネックス30周年に向けてのメッセージをお願いします。
30周年おめでとうございます。これまでの競技人生を共に歩んできて、ヨネックスのボードは本当に、自分の体の一部のような存在になっています。これからも共に挑戦を重ねて、スポーツやスノーボードの魅力をさらに広げていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。改めまして、30周年おめでとうございます!