山口茜が歴史に名を刻む４回目優勝。男子シングルスは19歳ラニエが初制覇！　ダイハツジャパンオープン2024

世界のトップ選手たちが、ジャパンオープン（Super750、神奈川県・横浜アリーナ）に集結。8月25日、各種目の決勝戦が行われ、女子シングルスの山口茜選手（再春館製薬所）が史上最多タイ記録となる４回目優勝を成し遂げました。また、男子シングルスは19歳のアレックス・ラニエ（フランス）が優勝。チームヨネックスは他３種目も優勝という好成績を残しました。

11年前の2013年、今大会を16歳3カ月で制した山口が、最多記録タイとなる４回目優勝の金字塔を打ち立てました。女子シングルスで４回優勝したのは、史上、2人目の快挙です。
決勝戦、世界ランキング5位の27歳は、世界14位のタイ選手と対戦。山口らしい力強く多彩なショットで1、2ゲームとも一度もリードを許さず、21-11、21-10で勝利しました。笑顔で表彰台に立った山口は、はにかみながら「自分のことながら同じ大会で4回も優勝するなんて、すごいなって思う」。今後の進退については、「考え中。来年のことは私自身も分からない」と話すに留めた一方で、「今回も楽しくやれた」と自身のこだわりである“楽しむ”という姿勢を貫いたことを明かしていました。

４回目優勝を決めた山口。「初優勝のときと違い、感謝や日本で開催されていることを感じながらの優勝だった」

男子シングルスには、新たなスターが誕生しました。「Super750以上の大会に出るのは初めて」という19歳のアレックス・ラニエ（フランス・世界ランキング29位）は、1回戦で世界６位のマレーシア選手を破ったのを皮切りに、次々と大物を下す快進撃。準決勝で世界ランキング1位のシー・ユーチ（中国）を83分の激闘を制すジャイアントキリングを成し遂げると、決勝戦は34歳のベテラン、チョウ・ティエンチェ（チャイニーズタイペイ）に21-17、22-20で勝利。「ドライブ戦からのカウンター攻撃が得意なんだ」と話すラニエは、ダブルスのような速い球回しで、試合巧者のオールラウンダーを破りました。

ダブルス3種目は、マレーシアと中国ペアの手にタイトルが渡りました。

2連覇のかかる渡辺勇大＆東野有紗ペア（BIPROGY）のプレーに注目が集まった混合ダブルスは、23歳＆24歳のジャン・ジェンバン＆ウェイ・ヤーシンペア（中国）が優勝。これまで中国のトップ2が築いてきた強さを、2人が受け継ぐことを誓いました。

184 ＆ 175 センチと長身のジャン（左）＆ウェイペア。角度ある攻撃が光った

また、ベスト8だった渡辺＆東野ペアは、今大会を最後に13年間のペアを解消しました。東野選手は「歴史をたくさん作ってこられたことが一番のいい思い出」と語り、今後はヨネックスバドミントンチームの櫻本絢子とペアを組み、女子ダブルスで世界の頂点を目指します。

なお、東野選手は女子ダブルス選手としての再出発にあたり、9月下旬発売のラケット「NANOFLARE 700 PRO」を使用予定。軽快な振り抜きと操作性に優れながらも、攻撃的なプレーを可能にする新モデルにご注目です。

渡辺（右）＆東野ペアはベスト８。渡辺は「これまでもこれからも尊敬」という言葉を東野に送った

女子ダブルスは、中国の次期エースとして期待される21＆20歳のタン・ニン＆リョウ・シェンシュウペアが、男子ダブルスを思わせる元気なプレーで韓国ペアを破り今大会初優勝。

タン・ニン（右）＆リョウ・シェンシュウペアは、第1シードを破りワールドツアー初優勝

男子ダブルスは、マレーシアのゴー・シーフェイ＆ヌー・イズディンペアがSuper 750以上のワールドツアー初制覇。マレーシアが男子ダブルスで優勝するのは、2002年以来22年ぶりの快挙。対戦相手は、2023年の世界選手権の金メダリストだっただけに、ヌーは「集中していい試合ができた」と、満足した表情でした。